NEWS -

古谷宣幸 黒釉

furutani

furutani2

滋賀の信楽で作陶する古谷宣幸(ふるたにのりゆき)さんの焼き物が入荷しました。亡くなったお父さん、お兄さんも信楽焼の作家という家系で、家には立派な穴窯、ガス窯を備える自然豊かな土地でつくられています。奥様は同じく焼き物の作家で古谷朱里(ふるたにあかり)さん。5〜6年前に知り合った頃、宣幸さんは大学を卒業したばかりでしたし、まだまだこれからの若い作り手さんです。しかし会った時から老成していて、若者らしからぬ艶とギラっと感がある焼き物には注目していました。数年見ぬ間に中里隆さんを師として学び、なかなか面白い具合になっていました。

焼き締、粉引、白磁などがあり、時には海外の土と釉薬を使った意欲作も。色んなラインがありますが、何となく出所不明の、どこの国のものとも言えないムードを醸し出す作が好きです。私が特に気に入っているのは黒釉。ちらりと見るとまるで黒漆のような質感。どっしりとして、侍のようにカッコいい立ち姿のカップは何となく宣幸さんご本人の印象に似ている。艶のある粉引も良いですが、今回は時々出る堅手を選んできました。見込みの部分に丸くピンクの光輪が出来ているのは、鹿背(かせ)というらしい。これは簡単に言うと、窯に入れて温度の調節の具合で出来るものだけれども、この場合は狙ったわけではないそう。でも私はこの鹿背が好きで、作家の意図に反して「出た、出た」とさらって来たというわけです。

「かみ」展はじまりました

hatano

hatano2

19日まで、お盆休みなしで開催中。
1週間ぐらい前に韓国で買い付けたものも並べています。状態が良くてコレと思う民芸品は韓国のディーラーさんでもなかなか見つけられられず、手頃な価格でと思うと尚更難しいこのごろ。日本にはない韓国の植物の蔓で編んだカゴや、電信柱から拝借した導線で編んだ珍品のカゴ、手で彫り出した大振りのトレイ、黒板として使われていた板などが今回の買い付けのお気に入り。

今週末ぐらいには韓国から新しいイブル(布団)がたっぷり届く予定。ハタノワタルさんからの追加納品もございますのでお楽しみに。18日(日)は中西真矢さんが在廊されます。

かみ

genkou

hatano

平仮名で書いてみるとちょっと不思議な響きになりますが、「紙」の展覧会です。京都は紙漉きの里、黒谷和紙で紙を漉いているハタノワタルと中西真矢の二人展になります。

実は中西さんは今は黒谷を離れられたのですが、以前漉いた紙のストックを使って、木版の原稿用紙、一筆箋を刷っていただきました。合羽刷の葉書も新作が出ます。ハタノさんはオーソドックスな楮紙から植物の繊維や砂を漉き込んだ変わり種、箱や日記帳などの製品も。壁紙など、内装に使える紙もあるそうです。

黒谷の工房には何度かお邪魔したけれど、歴史が深く刻まれた工房内にはオドロオドロしいとも言えるムードが漂っていて、冷暖房の設備もないこの場所で、地道な作業を繰り返すのはただならぬ精神力を要すると思われました。そんな昔ながらの仕事や風土が、綺麗で強い紙をつくっているのでしょう。手漉きの紙というのは、それだけでも良いものだと思うのですが、私はそんな紙に他の植物繊維や砂や顔料などを漉き込んだり、柿渋やコンニャク糊で強く加工したりと、新たな顔をつくりだすハタノさんの取り組みが好きで、常に新しいことに挑戦している彼の仕事を見てきました。時に布のように、皮のように、またはプラスチックのようにもなったり、紙を紙として終わらせないので「何に使えるかなあ・・・」と想像してみます。最近は非ナチュラルなヴィヴィッドな色の紙がお気に入り。さあ今回はどんな紙が届くのか、楽しみです。

ハタノ邸にて。内装にも使える紙はこんな風に床に張ることも出来ます。何年かたち、皮のようにつるつると良い艶が出てきました。

wataru2

「かみ」ハタノワタル / 中西真矢 2013年8月9日(金)ー19日(月)
→詳細はこちら