NEWS - 2013

H.P.E. Textile by HAND

hpe
テキスタイルの何たるか、本当のところはまだまだ勉強不足ではありますが、H.P.E.の布を初めて見た時にとても印象的だったのを今でも思い出します。2002年設立のH.P.E.はHandicraft Promotion Enterpriseの意味。まさにラオスの少数民族が”自然”と”手”を使い、ゼロからつくる手仕事をプロモートするのが、代表の谷由起子さんのお仕事。綿を栽培する村人と契約し、手紡ぎ、手染め、手織り、手縫いするレンテン族の藍染布はH.P.E.の顔と言っても良いでしょう。布はどれも反物にするか、服やバッグなどに製品化されています。手縫いと一瞬分からないほど細かい縫い目にご注目。そのほかに黒タイ族のシルク、カム族の葛の繊維で漁網編みした製品、縄や手透きの紙なども取り扱いがあります。

今回のイベントでは、普段当店ではご紹介することが少なかったシルクがたくさん届きます。私にとっては今まで馴染みのなかった素材ですが、H.P.E.のシルクは紙のようにサラリと薄く、ハリのある手触りで見た目にも上品な光を帯びています。日本の着物にも合うし、手織りの木綿はもちろん実はTシャツにだって合う、ニュートラルな布ではないかとも思うのです。

なぜ気になったのだろう?と改めて考えてみると、言葉でそれをお伝えするのが難しい。デザインや配色は谷さんが行っているので、日本人好みのする感覚が上手に交ざっていたからかもしれません。それに先入観なく見ると、古いもののような懐かしい発色とデザインに、どこの国とも分からない出所不明のムード。すべて手による仕事は、素材を調達するところから世界中で持続が難しくなっていて、「昔ながらの手仕事は良いものだ」と思いつつも手作りの感覚が残るものは苦手だし、機械や化学染料を使っていないから良いと言えるわけでもありません。嫌な感じがしなかったのは、彼らの持つおおらかな感覚を引き出して、無理に目新しいものを作っていない感じがしたから?とにかく、じわじわ感じるものがありました。
詳しい人によると谷由起子さんという人がテキスタイルの右も左も分からないまま単身でルアンナムターに乗り込んで、現地に根を張りながら村人たちと布を作っているという事が分かり、ますます興味が沸いたものです。出来上がった織物から色んな形を作り出す谷さんの力も凄いもので、四苦八苦しながらもH.P.E.に関わる人も商品も増えていきましたが、谷さんが初めてラオスに来た14年間と比べると随分変わり、日本が辿ったようにすごいスピードで変化していて、いつまでこの仕事が続けられるか分からないと言います。

2年前からHPE Newsなるものが発行されるようになり、そこには長い間染められていなかった、ラックの赤を蘇らせたこと、気になる商品の誕生秘話、ラオスを取り巻く経済と社会情勢などが手書きでびっちりと綴られています。イベント中はこの新聞を全号貼り出しますので、じっくり読んでいただきたいです。ものを作ったり、売ったりすることを生業とする人間なら、誰もが抱えそうな苦しく楽しいアンビバレンツな感情もそこからは読み取れて、いろんな角度から考えられるのではないかと思うのです。

谷さんとは、もう6~7年のお付き合いになると思います。店を開業してから程なく、谷さんから届いた葉書にはひと言、「思いっきり楽しい毎日でありますように!」
と書いてありました。グサっと胸にくる言葉です。仕事は良いことも悪いことも、ひっくるめて思いっきりやって、楽しむことと分かってはいても…というところ。谷さんは働くということをちゃんと分かっておられると思うので、苦労してここまで来たH.P.E.の布をみると、小さな苦労は何てことないものだと感じさせてくれます。Textile by HANDはゼロからものを作り出す、大きな魔法の手をイメージしています。私もこのイベントを機に、ちょっと原点を振り返ってみたいと思います。

H.P.E. Textile by HAND
2013年9月20日(金)〜30日(月)
→展覧会の詳しい情報はこちら

2013.9月

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もう夏も終わり。9月の月報が遅くなり申し訳ありません。

色々入荷しています。F/style 細身パンツ、H.P.E ラオスの二重織布巾、水垣千悦染付、白磁焼き物各種、古谷朱里焼き物、イブルボーダー柄(シングル、セミダブル、ダブル)、Kotonのキャンバストラウザーズパンツ、草木染ボーダー長袖、ハタノワタルの顔料を漉き込んだ手漉紙、箱、ノート、中西真矢の一筆箋、menimuk soap(ローズマリ、ローズ)エトセトラ。
画像はチェコスロバキアのガラススプーンで、先が珈琲豆になっているのが何とも可愛らしい。大正時代の薬匙にも似た雰囲気。小さくて古いものも細々と入荷していますが、紛れこんでいるので、よく目を凝らさないと分かりません。どうぞ見つけて下さい。

9月13日(金)11:00〜  ・・・ foodmood(焼菓子入荷)
→ 予約可。末尾をご覧下さい。

9月20日(金)〜30日(月) ・・・ H.P.E Textile by HAND (展覧会)
→ 詳細は後日ご案内致します。

9月末〜10月初旬 ・・・ ほいあん堂(焼菓子入荷)
→ 詳しい時期、種類は未定です。分かり次第ご案内致します。

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【foodmoodのおやつ ご予約を承ります】

個数制限無しでご予約をお受けいたします。予定数に達し次第〆切させていただきますのでご了承くださいませ。

ご希望の方は
お名前(フルネーム)、お電話番号、商品名、数、ご来店日
メールでお知らせ下さい。
食べものですので、キャンセルはご容赦下さい。
また、9月13日(金)〜17日(火)にご来店いただける方に限らせていただきます。

※数に達し次第終了いたします。メールアドレスに間違いがあると届かない場合がございますので、確認メールを当店からご返信した時点で、ご予約完了となります。返信メールが無い場合は完了しておりませんので、ご注意下さい。

メニュー)

①キャラメルナッツクッキー 380円
②ピーナツバター 420円
③チョコココナツ 380円
④レモンココナッツクッキー 380円
⑤ジンジャークッキー 380円
⑥青のりとカシューナッツのクラッカー 380円 (※新商品)
⑦グラノーラ大 1250円
⑧グラノーラ 420円
⑨黒ごまスティック 380円

古谷宣幸 黒釉

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滋賀の信楽で作陶する古谷宣幸(ふるたにのりゆき)さんの焼き物が入荷しました。亡くなったお父さん、お兄さんも信楽焼の作家という家系で、家には立派な穴窯、ガス窯を備える自然豊かな土地でつくられています。奥様は同じく焼き物の作家で古谷朱里(ふるたにあかり)さん。5〜6年前に知り合った頃、宣幸さんは大学を卒業したばかりでしたし、まだまだこれからの若い作り手さんです。しかし会った時から老成していて、若者らしからぬ艶とギラっと感がある焼き物には注目していました。数年見ぬ間に中里隆さんを師として学び、なかなか面白い具合になっていました。

焼き締、粉引、白磁などがあり、時には海外の土と釉薬を使った意欲作も。色んなラインがありますが、何となく出所不明の、どこの国のものとも言えないムードを醸し出す作が好きです。私が特に気に入っているのは黒釉。ちらりと見るとまるで黒漆のような質感。どっしりとして、侍のようにカッコいい立ち姿のカップは何となく宣幸さんご本人の印象に似ている。艶のある粉引も良いですが、今回は時々出る堅手を選んできました。見込みの部分に丸くピンクの光輪が出来ているのは、鹿背(かせ)というらしい。これは簡単に言うと、窯に入れて温度の調節の具合で出来るものだけれども、この場合は狙ったわけではないそう。でも私はこの鹿背が好きで、作家の意図に反して「出た、出た」とさらって来たというわけです。