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THE POTS 好人好日ー茶壷

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岡崎の好日居さんにて21日(日)まで「THE POTS」展にあわせたメニューのお茶をいただけます。特におすすめは龍神村の無農薬紅茶。

好日居にいると「好人好日」という好きな渋谷実の映画のタイトルを思い出します。光が美しく差しこむ静謐であたたかな空間。それに店主の晴美さんの人柄。四季ごとのおもてなしを受け、時の流れを感じながらいただくお茶は格別です。好日居さんに中本さんの器を是非使っていただきたいと思い、展覧会にあわせてお願いしたのが、小さな小さな茶壷(ちゃふう)です。

好日居さんはじめ何人かの茶人に使っていただいたところ、お茶のランクがあがるぐらい美味しく入ると評判です。セットでつくっていただいた茶坏も薄手で発掘品のような雰囲気。青く焼き上がったボウルにはお抹茶もすばらしく美しく、美味しく入ります。光の綺麗な好日居でいただくと一層映えるようです。この週末はぜひ好日居で好日な一日をお過ごしいただければと思います。好人にも会えますよ。

好日居:京都市左京区岡崎円勝寺町91 → 地図
075-761-5511
http://kojitsu-kyo.cocolog-nifty.com/

THE POTS 中本純也の白磁

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展覧会2日目。今日は朝10時から「龍神村の茶粥の味」と題したイベントを好日居さんで催しました。

メニューは最終的に、茶粥には定番だという金山寺味噌、梅醤、梅干し、フキの佃煮、柚餅子、キュウリの浅漬けという龍神村の珍味づくしになりました。キュウリは新種ではなく、昔ながらの龍神村の種で瓜に似ています。浅漬けにして、バレンシアオレンジをさっと掛けると何ともいえない爽やかなお惣菜に。

今回の茶粥はお茶を煮出してから、白米に匂い米を1割入れて15分ほど煮ました。粒がまだぷつぷつと残り、サラサラっとした状態でいただきます。お茶は釜煎りほうじ番茶にハブ茶をブレンド。独特の歯ごたえ、香りは意外性たっぷりで皆さん驚かれていたようです。今回茶粥をいただく為につくっていただいた白磁の中でも、特に好評だったのは浅めの鉢。グラノーラや煮物、ちょっとした麺類など、何にでも使えます。小さめで口当たりの良い薄手のレンゲは木型を彫って作っていただきました。六角と丸い豆皿はそれぞれレンゲやスプン、箸おきや菓子皿として。蓋物にはお漬け物、ピッチャーには茶粥のおかわり、蕎麦猪口には緑茶を。色んなポットを使って使い心地、サイズ感を味わっていただきました。

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最後は小さな中国茶用の茶壷を使い、少しだけ台湾の凍頂烏龍茶をいただきました。デザートは生姜のゼリーの梅シロップがけ。この茶壺も発掘品のような小さく薄い茶坏も、今回に合わせて作っていただきました。茶坏もろくろで回しています。規格としては同じでも、一つ一つ厚みも色も少しづつ違うふぞろいな茶坏たち。お好みのものを選んでいただき、ゆっくりとくつろいでいただきました。

お米が貴重だった時代、量を増やすために茶粥にしたのではないかとも言われるこのメニュー。夏バテしそうなこの季節には、特に腹持ちがよく、サラっと食べられる気軽さが冷房の無い好日居にぴったりでした。2回目の会が終わる頃、落雷と大雨が終わらず、しばし大谷石の間でみんなで涼みました。雨の好日居もなかなか良かったです。

今回イベントのために作っていただいた白磁はしばらく販売致します。ご注文もお受けしておりますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

THE POTS / 「龍神村の茶粥の味」@好日居

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中本純也さんによる「THE POTS」が始まります。長らく南蛮焼をつくっていた中本さんは1年前に穴窯を潰し、白磁を焼くための登窯を奥さんの理詠さんとつくりました。李朝白磁に影響を受けたそうですが、たとえ写しをしたとしても、どこか中本風になる愛嬌さが私は好きです。南蛮をしていた頃からの豪快なろくろは、繊細なイメージを持つ白磁も剛胆に変えてしまいます。私の思っていた白磁をあっさりと覆した中本さんが作るものをもっと見たくて、何度となく工房のある龍神村に足を運び、窯出しを手伝ったり、ご飯を食べました。

窯で焼く時は山で採った薪を割ってくべます。出来上がった焼き物は、場所によって灰を被っていたり、釉が割れたり、曲がったりと開けてみないと分かりません。温度が上がり過ぎたり、逆に上がらなかったり、時間が長過ぎたり、短かったり。天候にも左右されるので毎回の窯出しがドキドキです。前回は展覧会用に頼んだ型で作ったレンゲが全滅でした。さあ今回はどうかしら?緊張して最後の窯出しに行ってきました。

「頭が痛い」と訴える中本さんでしたが、可愛らしいポットら、それに六角の豆皿、カップ類、イベント用に作っていただいていた粥用のボウルやレンゲも無事に完成。すっかり安心した私はまだ作業をしている二人を残し、気持ちよく昼寝。龍神村の山間から差す光は綺麗です。そんな中で取り出したての色んなポットを使ってお茶を飲んでみました。綺麗に並べたり、飾らなくてもそれだけで美しくみえました。

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この日は夜も、翌朝も茶粥。お茶が好きで、米が好きで、漬け物が好きな私にとっては最もミニマムで、究極なメニューかもしれません。

今回好日居さんで使うのは焙じ茶の茶粥。龍神村は各家庭の庭先に生るお茶の葉を、新茶の時期に摘み、製茶する風習があります。緑茶として飲まれるか、焙じることもありますが、各家庭ごとに製茶方法は微妙に違うそう。朝に茶粥をいただくのも一般的で、興味深いのは茶粥にするための米も栽培しているということ。白米に匂い米という品種を1割ほど混ぜて炊きます。ふっくらして、少し癖のある香り。一般的なお粥とは違い、サラサラっとお茶漬けのようにいただきます。

今回のメインであるポットでお客様に龍神村のお茶を淹れて、飲んでいただきたいと思い、お茶を提供していただくことになった上森貴政さんを訪れました。「子どもの時から当たり前にお茶はつくっていたし、そういうものだと思っていました。品種としては特別ではない素朴なお茶です。茶粥だってそれほど美味しいというものでもないし、自分は食べたいと思いません。大して良いお茶でもないし、米も美味しいわけじゃない。だからかけ合わせて茶粥にするのが丁度良い、という程度のものだと思います」ーそんなお話でした。

私は大して上等ではないもの同士を合わせて丁度美味しくなる、という庶民的な考え方が面白いような、分かるような気がして興味が沸きました。いつからかはよく分からないそうですが、それは今でも続いているし。上森さんは几帳面に製茶されていて、緑茶は少し青っぽく、中国茶でいうところの「黒茶」に風味が似ていて、私はとても美味しいと感じました。焙じても美味しいし、最近作りはじめたという紅茶はうって変って華やかで、甘く柔らかで、それはそれは感動的なのです。

付け合わせはゆべし、金山寺味噌、中本家の梅干しや山菜の佃煮、などの珍味盛り合わせをご用意。デザートは和歌山の柑橘系を予定しています。茶粥は家庭の食べもので、決まったレシピがありません。今回は材料を龍神村で揃え、「好日居の茶粥」を食べていただきます。とてもシンプルな料理です。でも贅沢だと思いませんか?私はこんな食べ方が好きです。

13日(土)のみまだ少し空席があります。ご参加をお待ちしております!詳しくはこちら