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三月ウサギ

体調を崩しがちなこの季節ですが、やはり三月は好きな月。 微力ながらお手伝いさせていただいた「池多亜沙子 書展 三月」が本日で終わりました。
昨夜は好日居さんで、書の中ゆっくりとお茶を淹れていただける機会に恵まれました。

突然のお茶会。参加者は池多亜沙子さん、好日居の晴美さん、スタッフの奈津子さん、そして私の4人。 筆を出しはじめて、記念に何か書こう!と言う晴美さん。めいめいが言葉を直感的に選んだものの、なかなか書き出せずにじっくり心の準備をして挑むも、やはり書けない。お茶は好日居の2人が交代で淹れてくれたとっておきの岩茶とプーアール。美味しい。何度淹れても美味しい…と感動しながら、書を語りながら、ペチャクチャお喋りしながら筆を持つ。

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展覧会の中で、三月にまつわる言葉をということで「三月兎」を書いていただきました。三は私の好きな数字。『不思議の国のアリス』に登場する”狂ったお茶会”を開く気ぜわしい三月ウサギというキャラクター。
春の嵐、心ざわつき、不安定で楽しそうな季節に、静かに狂ったお茶会を夜な夜な楽しんでおりました。
このコーフンのまま、Kitは引っ越します!

池多亜沙子 書展「三月」

IMG_6845ソウルの弘大(ホンデ)に雨乃日珈琲店という喫茶店があります。

書家である池多亜沙子さんが2010年に夫婦で開いた場所。ソウルでライターを営む夫の清水博之さんとともに情報発信できる場所を持とうと計画したことが始まりだそうです。“雨乃日珈琲店”という店名は、亜沙子さんの郷里である金沢に雨の日が多いことも理由のひとつらしく、金沢にちなんだ珈琲やお茶のメニューがあり、金沢の作家さんの作品販売も。店内には亜沙子さんが選んだ骨董品が置かれていたり、亜沙子さんの書がさりげなく懸かっていたりします。

私はというと、2012年から2~3ヶ月に1度のペースでソウルに訪れており、何度目かの買付けの旅でこちらへお邪魔しました。京都から数時間内で、今や東京へ往復するよりも安く着いてしまうソウルですが、近場ながら異国の文化に包まれる時間はしばしの休憩にもなっていて、買付け後にここでゆっくりと過ごす時間が好きです。外国だけれど何度でも帰ってこれる、私にとっては少しノスタルジックな場所。二人に出会わなければ、これほど頻繁には渡韓しなかったかもしれません。

夫である清水さんは寡黙だけれど実はとてもユニークな人で勉強家。2人とも喫茶店とは別の仕事を持っているため、日中はそれぞれの仕事をして夕方から店を開くというスタイル。ここは発信する場所、とは言いながらも静かに深くイメージを発している彼らなので、ここでは物事をゆっくり考えられるのです。私はいつもお茶をしながら亜沙子さんの書く字を見るのが好きで、良いなあ…と思いつつも、書というものが初めてなもので、どう捉えて良いか分かりませんでした。3500年とも言われる書の歴史で、先人が残した名筆をデッサンのように書き続けていると言いますが、亜沙子さん自身が書く字は何か、分かる。

先日はどうして筆を持つのか?聞いてみました。彼女にとっては衣食住書。古代より受け継がれてきた文字の形やその心を、ひたすら書くことによって身体に染み込ませているそう。それは骨董品に惹かれるのにも少し似ているかもしれませんが、子どもの頃から続けていた事で、好きだからとしか言いようがないと。そんな彼女もソウルに来たばかりの頃はなかなか筆を持てず、焦燥感に駆られていたそうです。おそらく異色の作品である「生活」についてこんな風に教えてくれました。

ー ソウルに来たから書こうと思った言葉です。生活のスタイルや環境が変わり、慌ただしい毎日を過ごす中で、どこで筆を持ったらいいの?と悩んでいた時に、生きる活動について考えるようになりました。ふとした瞬間に、空間処理とか線質の面白いものがポッと生まれることもあるんですよ。「生活」も200枚程書いたうえで、ふとそばにあった紙片に書いたものだったから、実は上のほうが少し切れています。 ー

そういえば韓国ではもう漢字を習わないので、わざわざ目指して来られた方でも「雨乃日珈琲店」の文字看板が目に入らず、通りすぎてしまう事も多い様子。ハングルは音韻の形を表していて、文字自体には意味が無いのです。そんな文字を使う国で私たちは出会い、そしてなぜかここ京都で展覧会をしていただくことになりました。場所は書を空間的にゆっくり眺めていただけるお茶屋「茶房 好日居」さんで。期間中は韓国菓子とお茶をお召し上がりいただけます。皆様のお越しをお待ちしております。

池多亜沙子 書展「三月」
3月6日(金)~16日(月)
13時~18時
会場:茶房 好日居
京都市左京区岡崎円勝寺町91
075-761-5511
在廊日:6.7.8.15.16日

作家略歴) 金沢市生まれ。古典と向き合いながら書作品を制作。
2012年から韓国・ソウルに拠点を置く。

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ー 何拂拂(か ふつふつ)
「ああ さやさやと風がふく」というような意味合い。

月報 2015.01

今年も1年ありがとうございました。年明けは3日(土)より営業致します。

1月9日(金)より型染め家、関美穂子さんの展覧会を開催します。
型を使い、防染糊を使って複数の型を重ねて染められる、という型染めならではの特徴がシンプルに目に入ってくるような図案の布を販売します。布はテーブルクロスサイズからハンカチまで。同じ型でも色や染める素材が変わるだけで、随分と違う印象です。

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こちらは関さんによるとアメリカのキルト風の彩色だそうで分からなくもない!「焼物にも合うかなと思って」と関さん。
一見可愛いらしいですがよく見ると色んな悪い夢を見ているような図案で、関さんらしい。お気に入りの色や形を見つけていただければと思います。

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韓国の食堂でも使われる深めのナンバー入りベコっとアルミバットを販売しています。アルミ好き、入れ子好きにはコンプリートしたいチープなお品です。ほか郡司庸久さんの耐熱プレートが入荷いたしました。引き続きシュトーレン販売中。foodmoodは1月23日(金)の販売です。

最後にお知らせです。
当店は2015年3月22日(日)に一旦閉店し、移転することになりました。3月30日(月)からは新店舗でお待ちしております。ここから徒歩3分の場所を予定しており、準備が整い次第当HPでご案内致します。ところ変わればで、次はまた違う展開を考えております。来年もどうぞよろしくお願い致します。