EXHIBITIONS / EVENTS

2019年11月2日(土)〜11日(月)
作家在廊:11月2日(土)〜4日(月)

臼杵春芳 漆展

12:00 - 18:00

臼杵春芳

場所:Kit 2F

漆の臼杵さんは注文家具の制作が主な仕事で、その傍ら漆椀や弁当箱など小さな木器を作っている。その昔は彫刻家を志し、木工房で働いたりしながら家具を作り、そのうち浄法寺研修生として漆掻きを習うようになったそうだ。自分が制作する分の漆ぐらいは賄いたい、と近年では漆の木を栽培し、掻いて採取し、殺し搔きした木(*1)を挽いて木地としても使う、という一通りの流れを行なっている。他にも色んな木を使うが、漆の木地は臼杵さんならではの仕事。軽くて丈夫で、理にも叶っている。

活動の拠点を京都から故郷の香川に移して数年が経った。作品について多くを語ろうとはしないが、わざとらしいことはしない。漆はいわゆる塗料として木地をコーティングし、均一に整えたり、風合いをあえて付けたり、テクスチャーを意図的に表現できる。しかし臼杵さんが扱う無調整の日本の漆は乾きも悪く、縮れもするというコントロールのしづらいもの。育った環境や季節によっても特性が異なる「生きものとしての漆」に寄り添い、仕上げは自然に委ねられているようでもあり、大らかにそれを受け止めた作品は気持ちが良い。漆を濾した時に溜まった澱が勿体ないので塗りつけておいた、という根来盆は1年かけて塗ったり研ぎ出したりして、とても良い風景になった。熟成には時間がかかる。

今回は地元の熟練の木地師さんが挽く讃岐の特徴的な木地を使ったり、手ぐりの椀も作っていただいた。自宅の裏山に最初に植えた漆の木はもう12年ほどになるらしい。あと3年ぐらいで漆が掻けるようになり、また新しい循環が始まろうとしている。私はいつも春になったらそこに来る。悠々とした讃岐平野をドライブし、近くの山を歩き、筍や山菜を採る。漆の芽は天ぷらにすると美味しいのだ。木工家とも漆芸家とも違う、臼杵さんの生活と仕事がそこにはある。

*1 採り尽くした漆を伐採すること

臼杵春芳(USUKI Haruyoshi)
1954年香川生まれ。1977年に彫刻家新宮晋氏に師事。京都を拠点に建築家との共同作業で店舗や個人住宅の家具制作を行う。近年は工房を香川へ移し、漆の木の栽培をはじめ、漆掻き、木地師、塗師の一連の工程を一人で行っている。

/// 関連イベント ///

「好日居 お茶漬茶會」
好日居・横山晴美の一つの椀をもって始まり、終わるお茶漬け茶会。 ウェルカムティー、茶漬け、菓子、チャイ。
¥1800

11月2日(土)
12:00~13:00 / 13:00~14:00 / 14:00~15:00 / 15:00~16:00 / 16:00~17:00 / 17:00~18:00

なくなり次第終了。
喫茶のご予約はsankakuha@gmail.comまで。
お名前、お電話番号、人数、をお知らせ下さい。