EXHIBITIONS / EVENTS

2017年11月3日(金)― 11月13日(月)

STILL LIFE Ⅱ
glass ⇄ plastic

11:30 - 19:00

辻和美

場所:Kit

Behind Story of STILL LIFE II 辻和美

展覧会は年に約4〜5回。ギャラリーだろうがショップだろうが、雑貨屋だろうが、そこのオーナーと気持ちが通じ合えば、どこだってかまわない派ではある。まず、自分がその場所にちょくちょく通っているか、オーナーとよく会話を交わしているかは、大事な要因だ。

今回展覧会の依頼を受けたKitさんも、普段から何かとお買い物をしている場所だ。オーナーの椹木女史のセレクトするモノのどこかに自分と同じツボがある。だから、展覧会の話が来た時も二つ返事で引き受けたのだが、実はそこからが大変。椹木さんからの希望は、「この色がなんか好きなんです」。と、なんかって、なんで? 選ばれた色は、確かに昔作った色だけど、私の前を素通りした色だった。

自分の展覧会だから、自分の好きなようにすれば良いと、人は言うけど、それだけなら、私はもう展覧会という形を自分の舞台には選ばないかもしれない。いろいろな場所に出向き展覧会をするのは、やはり、その場所やオーナーやお客様と、一緒の時間や風景を共有したいからなんだと思う。

そう思い直して、改めて彼女のセレクトの何が好きで特徴があるのかを考えてみた。
ー1 彼女も私も王道ではない。
ー2 古いものも新しいものもゴチャ混ぜにする。
ー3 素材の美しさや値段より、感覚的にグッとくるかどうかだ。

そう、プラスチックなどの安価な量産素材も彼女が得意とする分野だ。これを使わない手はない、思えば彼女が好きだと言ってくれた色もなんだか、ガラスにしてはプラスチックぽい。彼女のプラスチックコレクションをしばらく借りる事にした。そばに置いて眺めてみたくなった。

もともとはガラスや陶器に代わるものとして生まれたケミカルな素材に、私たちはなんだかんだと恩恵を受けてきている。これをもとに形や色を考えて、いつもの制作テーマであるSTILL LIFE(静物)を作ってみよう。決してど真ん中ではない、でもハートをくすぐるSTILL LIFEに出会えるんじゃないかと思う。

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Behind Story of STILL LIFE II 椹木知佳子

数年前に行われた辻さんの展覧会「color」を見に行った時のことだった。綺麗な色や形が多く目移りしていたところ、貝殻の裏のようにラメっぽく光る作品がふと目に入った。いつもは選ばなさそうな、そんな色を手に取った時、ある人がこう言った。

ー「それはヘン子ちゃんね」

その言葉が妙に心に響いて残った。ガラスなのにそれっぽくない、異質な存在感に魅力と親しみを感じたのだ。雑貨屋という職業柄、特に専門を持たずに様々な素材やジャンルの物を触る中で、ヘンな子を見つけることがある。例えば電話線で編まれたバッグ、圧縮した紙で出来た器、プラスチックで編んだ弁当箱…これらは戦争や高度経済成長期といった時代の過渡期に、何かの素材の代用品として作られている事が多い。

私はなぜかそんな風に生まれた珍奇な物が好きで、とりわけ古いプラスチックを好んで集めている。元々は何の代りだったのだろうと想像すると楽しい。実はこの感覚は辻さんのガラスにも通ずるところがある。辻さんがどんなものを見て体験してきたのか、逆にその源を探ってみたいという気持ちが湧いてきて、常に刺激的な存在なのだ。

ある時、古いプラスチックを逆にガラスで表してみるのはどうだろうか、というアイデアが持ち上がった。いわば「STILL LIFE」(静物)という既存の作品展のスピンオフ。過去の代用品を写すだなんてナンセンスな行為が、まったく新しい創造になるような気がした。だって「新しい」と「古い」はいつだって響き合っている。

「plastic」という言葉にはもともと「形を作る」「変化したり、形を与えられたりできるもの」という意味がある。その名の通り、今という過渡期にこそ与えられる形を間近で見れそうだ。なんて幸せ者なのだろう。


◎当日の様子で入場制限をする可能性がございます。

◎11月3日(金)に整理番号を朝9時より配布いたします。それまでは住宅街のため、お並びにならないようお願いします。それ以降の日は配布致しませんので11:30の開店時間にあわせてお越し下さい。ただし15名以上並ばれる状況になった場合は配布致します。ご協力お願い致します。

◎11月3日(金)、4日(土)は混雑することが予想されますので、予めアクセス方法をお調べになってお出かけいただけると幸いです。

作家在廊日:11月3日(金)、4日(土)